皆様こんにちわ。
本日私は、日本LGBTサポート協会設立一周年の特別講演会へ参加させていただきました。
人気YouTuberのかずえちゃんや、LGBTQ+ライフスタイル情報アプリ@Hereサービスを生み出した長屋友美さん、他にもトランスジェンダーのご夫婦さんなどがゲストスピーカーとしてお話されていました。
皆様にも登壇者や・ゲストスピーカーのお話を共有したいと思うのでお伝えいたしますね。
この講演会は主に結婚相談所運営者やLGBTQ+に関する活動をされている方、当事者の方が計58名参加しておりました。
私は理事の仲原さんにお声かけいただき、参加させていただきましたよ。
かずえちゃんのお話
まず初めに登壇されたかずえちゃんのトーク内容を私が覚えている範囲でお伝えいたしますね。
LGBTQ用語の説明や、自分自身の経験、協会に対する思いなどをお話してくださいました。
小学校5年生の頃にとんねるずの大人気番組、ホモ田ホモ男という番組が流行っていました。
昔は自分自身がゲイだと受け入れられず、治さなければいけないと感じながら生きてきました。
両親にカミングアウトをしたのは24歳のとき。
カミングアウトをするきっかけとなったのは24歳の時に大好きなパートナー、つまり彼氏ができたからです。
「友達のふりをしてね」と彼氏に嘘をつくのが嫌だったし、大好きな人を家族に紹介したいと思い両親へカミングアウトしました。
両親はすごくびっくりしていたし、すぐには受け入れられなかったと思うけれども、「堂々と生きていけばいい」と言ってくれました。
初めて自分自身のことを肯定できた瞬間でした。
「気持ち悪い」とか直接否定されたこともなかったけれども、逆に「そのままでいいよ」と肯定されたこともなかったので、「そのままでいいよ」と言ってくれた両親の言葉は支えになっていました。
僕は30歳の時に、カナダのバンクーバーへ留学へ行きました。
決して日本が生き辛いからという理由ではなく、旅行好きでもあったので29〜30歳になるときにカナダへ行くことにしました。
その時、一番自分の中で決めて行ったところは「自分のことを隠さずに生きていく」ということでした。
いまの社会は異性愛を前提なのです。
日常生活を生きている中で「結婚しないの?」「彼女いないの?」という言葉にはうまく返せるようになっていたけど、本音はしんどかった。
でも留学したカナダで自分のことを話すと「あ、そうなんだ」という程度だったのです。
カミングアウトがカミングアウトではなくなっていきました。
カナダは2005年から同性婚があったので、当たり前に可視化されておりとても居心地が良くビザを延長して三年間生活しました。
カナダで生活していると「なぜこれまで隠して生きてきたんだろうか」と強く思うようになり、YouTubeを始める原点になりました。
カミングアウトをしなければいけない、カミングアウトをすることが正しいということはありません。
僕の場合は、24歳の時にパートナーと出会ったことがカミングアウトのきっかけでした。
カミングアウトもしていない日常生活の中では、自然に出会うことはとても難しく、アプリ・掲示板などを利用して出会いを探す必要があります。
どんな方法で出会い探しをするのかは個人の自由です。
まだまだカミングアウトができない現状です。
福井県の地元で講演会をすると「初めてゲイの人に会いました」「LGBTの人は周りにいません」という方がいたけれども、いないのではなく、言えないのです。
電通のデータではLGBTの割合は11人に1人というデータがあります。これは左利きの方と同じ割合です。
だから、きっと出会っていると思うのですが、知らないだけなのです。
まだ多くのLGBTQの皆様にとって未来を描けない社会です。
僕はウェディングプランナーをしていても一度も自分自身の結婚を重ねて考えたことはありませんでした。
自分自身も結婚は男女のものだと思っていました。
できないことが当たり前だと思っていたのです。
カナダに留学に行った時に、「好きな人と家族になれるんだ」「家族を築けるんだ」という初めて感じた嬉しい気持ちになったのです。
大久保さんご夫婦のお話
続いて大久保暁さんと奥様の希望さんのお話も聞かせていただきました。
女性として生まれ、男性として生きること。
トランスジェンダーのハードルについてお話してくださいました。
大久保暁さんは、高知県で女性として生まれ、31歳の時に戸籍変更をしました。
現在は奥様の地元である京都に現在は住んでいます。
大久保明さん
性に違和感を感じたのは、、はっきり覚えていないのですが。
周りからは「女の子らしくしなさい」と言われていたことは覚えています。
女の子が好きだと自覚したのは小学校6年生でした。
周りと違う自分のことを病気だと思い、相談もしてはいけないものだと思っていました。
ある時友達に一人言ってみると「別にいいんじゃない」と言われて嬉しくなって、他の子にも話してみたんです。
すると「女の子が女の子好きっておかしくない」「レズなんじゃない」と噂になってしまいました。
その時にもう恋愛するのやめようと、気持ちに蓋をしたのも小学校6年生でした。
学校は女子校へ進学しました。女子校を選んだ理由は特にありません。
女子校は性別が女子だけなので、男女分けされることがなかったので自分の性別を考えることがなくて過ごしやすかったです。
自分のことがよくわからずトランスジェンダーだということを自覚していなかったのですが、ずっとおかしいなと思っていました。
ネットが使えるようになり、20代前半で初めて戸籍変更をしている方に出会い衝撃をうけました。
それからいろんなセクシャリティーの方に出会うことで自分のことを理解していくようになりました。
それから女性とお付き合いをするようになったけれども、女性同士なので周りの目を気にして隠れて付き合うようになりました。
レズビアンのサイトでは「男性」と見られたり、例え結婚相談所に相談するにしても「自分のことを本当に理解してくれるのだろうか」という不安がありました。
大久保望美さん
「二人の出会い」
私のトランスジェンダーの友達の紹介で出会いました。
私は、その時は友達がトランスジェンダーであるということも知りませんでした。
暁さんのことも、トランスジェンダーということを知らずに出会いました。
母に初めて「結婚考えている人が、私の親友みたいな人やねん」と話すと、「私が幸せだったら応援する」と言ってくれました。
父にも母から言ってもらったのですが、父はLGBTには理解ができないけど旦那さんのことは好き。と言ってくれて人として中身を好きになってくれたことが嬉しかったです。
大久保明さん
トランスジェンダーにはたくさんのハードルがあります。
付き合う人に自分のことを話さなければいけないハードル。
家族に話さなければいけにハードルなど。
妻の父には「娘のことを泣かしたら許さないからね」と一言だけ言われました。
トランスジェンダーだからなど、、一切言われませんでした。
僕のもう一つのハードルは、結婚式でした。
結婚式によくある生い立ちムービーで昔の女性の時の写真が出たら、妻が招待した友達や職場の人がびっくりするのではないかと不安だったのです。
妻は招待状を送る前にラインで「旦那さんになる人は生い立ちムービーではセーラー服だから驚かせるかもしれないけど、それでもよかったら来てください」と伝えました。
僕は妻とだから、3つのハードルをサラッとクリアできたんだと思います。
孫の顔を見たいと思っているはずの妻の母は子供のことについて「二人が仲良かったらそれでいいんじゃない」と言ってくださりました。
孫、孫と言わず。。。
トランスジェンダーの結婚はネガティブばかりなものではありません。
長谷ゆみさんのお話
中学生の時に同性に惹かれることを自覚し、自分はみんなと違うということを感じていました。
田舎だからすぐに回覧板が回るので、絶対にバレてはいけないと感じていました。
私が女性が好きということについて「まだ運命の人(男)と出会っていないからではないか」と言われたこともありました。
私もそうかもしれないと思い、男性ともお付き合いをしたこともありましたが、それは自分で自分を傷つけていた行為だったと思います。
パートナーとはアプリで奇跡的に出会い、お付き合いに至りました。
私たちの日常生活は、特別なことはなにもありません。
「いってらっしゃい」や「おやすみ」を言い合い、隣で寝ているパートナーの寝顔に癒されたり、時々喧嘩もしたりします。
パートナーと出会ってから「子供が欲しいよね、家族が欲しいよね」という会話も自然にできるようになりました。
私の両親は私たちのことを幸せだったらそれでいいと、すんなり受け入れてくれました。
パートナーのお母さんには一番初めは、拒絶をされて、パートナーもショックを受けてメンタルが不安定になっていました。
そんなパートナーを見て私が支えていきたいと思い、たくさん話し合いをしました。
お兄さんに協力してもらったり、お母さんに手紙を書いたりして、今ではパートナーの母も受け入れてくれて一緒にご飯を食べる仲になりました。
今私たちは妊活したくて動いています。
超えなければいけない壁はあるかもしれませんが、進んでいきたいと思います。
20代の頃の自分は幸せになることを諦めてていたけれども、今は信頼できるパートナーがいる。
自然に諦めていた結婚式もできて、見える景色が変わったように思います。
レズビアンの出会い
私の周りではアプリ、二丁目、イベントが多いと感じています。
アプリで身バレしている怖さや、相手が本当に女性なのかという思いもあり、会うことが不安でした。
私は人が多い賑やかなところは、あまり得意ではなくて一歩踏み出すことがハードルが高いと感じています。
自然に出会うこともとても難しいと感じています。
カミングアウトをしていない人が多い現状で、周りの人に相談することも難しいです。
誰にも自分のことを相談できず、一人で悩んでいる人が多い。
テレビやCMを見ても映っているのは男性、女性ばかりで、日常の中で自然に幸せなイメージが持てない。
私も結婚したいなと思っても、そんなことを考えてはいけないと自分の思いをかき消してきました。
LGBTQ+の人たちは、単に一人で生きてくことを選んでいるのではなく、諦めて、諦めて、諦めて。。
一人で生きていくことを選択している人がたくさんいます。
そのことを知って欲しいです。
トークセッション
最後は、2021年結婚式を挙げたゲイカップルのこうすけさん、まさひろさんとかずえちゃんのトークセッションがありました。
かずえちゃんはお二人の結婚式のナビゲートをされました。
こちらはお二人が出演されたマリッジフォーオールジャパンの動画です。
こうすけさん
僕の時代のLGBT の存在はテレビでみんなに笑われたり、馬鹿にされることでした。
だから絶対に誰にも言っちゃいけないと思って隠して生きてきました。
一人で死んでいく、家族は作れないと当たり前に思っている時期がありました。
まさひろさん
僕もクローゼットで生きてきました。
母親は僕のことをお腹を痛めて産んでくれたから父親よりは理解してくれるのではないかと思い、先に母親にカミングアウトしました。
受け入れてくれたことが嬉しくて。
居酒屋などではオープンに生きていました。
こうすけさん
居酒屋でパートナーが僕のことを「今付き合っている人です」と紹介した時に「え?言って大丈夫なの?」と思いました。
でも、その時最初に言われたのが「おめでとう」だったんです。
これまではずっと自分のことを隠し通さなければいけないと思っていたから。
でも結婚式にたくさんの人が来てくれて、自分が思っていたよりもいい社会だと感じました。
(お二人の結婚式ムービーも見せてもらい、とても感動しました。)
まさひろさん
結婚式をしようと思ったのは、僕達の家族、友人に感謝の気持ちを伝えたいと思ったから。
両親にも、たくさんの人たちが支えてくれていることを伝えたかったんです。
僕の実家に帰ったときに「結婚式よかったね、あれだけたくさんの人が来てくれるとは思っていなかった。安心した」と言ってくれて本当に良かったです。
こうすけさん
母にカミングアウトしたときに「あなたが幸せだったらそれでいいよ」と言ってくれてそれがとても心に残っています。
母は僕が、異性愛者と同じように生きていけるのか心配だったと思います。
式には当時カミングアウトしていなかった学生時代の友達、職場の人も呼びました。
すごく怖かったんですけど「相手は男性なんです」というと「そうなんだ」と言ってくれて式に来てくれました。
結婚式の後変わったこと
こうすけさん
自信が持てました。
式をあげるまでは、周りは受け入れてくれてはいるけど、実際世間から見ると男二人で歩いているところを見られると、攻撃されるのではないかという不安がありました。
だけど、結婚式を挙げて自信がもてるようになったんです。
今では二人で出かける時、服もペアルックで歩くようになりました(笑)
(ペアルックのシャツを着ていました^^)
かずえちゃん
日本は2015年からパートナシップ制度がでてきているけど、4月の段階では人口カバー率が50%になってきています。
でも結局は条例で、結婚はできない現状です。
そこに立とうと思った思いは?
こうすけさんとまさひろさんは
「同性を好きと感じる子どもたちが、一生の孤独を覚悟しなくていい社会が来るまで、自分たちにできることをしたい」という思いで福岡県で同性婚訴訟中です。
まさひろさん
結婚式を挙げたけれども、現実は「法的に結婚していないとできないですね」とローンが組めないなど色々ありました。
その時に、法的に結婚していないということを突きつけられるものがありました。
こうすけさん
男性が好きということは、生まれ持った特性だからどうすることもできません。
それなのに、選択肢が少ないことがおかしいと思うようになりました。
好きな人と家族になりたいのに「ダメです」と言われる現状が理解できない。
クローゼットの方のために、そして自分達のために立ち上がることにしました。
おわりに
現在、パートナーシップ制度は人口カバー率52.1%となり、全国で209自治体が取り入れています。
もはや、パートナーシップ制度を取り入れていない自治体の方が少なくなってきましたね。
でも、実際は同性婚と条例は全く違います。
条例だけでなく、同性婚が選択できる日本になって欲しいと心から願います。
日本LGBT協会では、オールジェンダーの婚活が行えます。
男女の結婚相談所だけでなく、セクシャルに関係なくどんな人も結婚できる未来はいつか必ず来ると感じました。
本日は、お声かけいただきありがとうございました。